記事登録
2008年08月05日(火) 19時14分

フィッシング未対策のSafariは使うべきではない——消費者団体がMacユーザーに警告Computerworld.jp

 「MacユーザーはAppleの『Safari』ではなく、フィッシング対策を講じている『Firefox』や『Opera』のほうを使うべき」——非営利の消費者団体Consumers Unionが発行する月刊誌「Consumer Reports」は8月4日、インターネット・セキュリティの年次調査リポートにおいて、このような見解を明らかにした。

【関連画像を含む詳細記事】

 Consumer Reportsによる調査は、米国内でインターネットを利用している2,000世帯以上を対象にしたもの。同誌は調査結果に基づき、フィッシング攻撃は今なお深刻な問題だとして、警鐘を鳴らしている。

 同誌のテクノロジー担当編集者、ジェフ・フォックス(Jeff Fox)氏によると、過去2年間でID窃盗の被害に遭い個人情報を盗まれた消費者は650万人(オンライン世帯全体の13分の1)に上っている。また、そのうち14%は、銀行の口座番号や住所、パスワードを入力させようとするフィッシング詐欺サイトを通じて、実際にお金をだまし取られているそうだ。

 詐欺サイトの被害に遭う確率はMacユーザーもWindowsユーザーと同じだと、Fox氏は指摘する。「個人情報を盗まれる可能性は、MacとWindowsのユーザー・グループ間に大差ない。この点では、MacユーザーもWindowsユーザーと変わらない」

 しかし、Macユーザーに最も利用されているSafariには、危険なサイトや危険性が疑われるサイトを警告するツールが備わっておらず、それゆえMacユーザーのほうがフィッシング詐欺に遭う危険性が高い。同誌は、Safariにフィッシング対策ツールが追加されるまで同ブラウザの使用を控え、FirefoxかOperaの最新版を使うよう勧めている。

 Firefox 3.0やOpera 9.5の場合、ユーザーが既知のフィッシング・サイトやマルウェア拡散サイトにアクセスしようとすると警告を発し、それらサイトへのアクセスを遮断する。 Microsoftの「Internet Explorer(IE)7」もすでにアンチフィッシング・フィルタを搭載しており、現在ベータ・テスト中の「IE 8」ではマルウェア対策ツールも用意される予定だ。

(Gregg Keizer/Computerworldオンライン米国版)

【関連記事】
マイクロソフト、IE 8のセキュリティ新機能を一部披露
[ETH Zurich調査]Webブラウザの約4割が未パッチ状態——チューリッヒ工科大学が報告
急増するスピア・フィッシング、15カ月間で約1万5000人が被害に
Safariに新たな脆弱性——反マルウェア団体がアップルに改善を要求
アップル、Webブラウザの新版「Safari 3.1」をリリース——“世界最速”をアピール

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080805-00000005-cwj-secu