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2008年08月04日(月) 08時00分

東京ビッグサイトのエスカレーター事故 問われる安全管理産経新聞

 東京ビッグサイトのエスカレーター事故は、一歩間違えば転落などで大惨事になりかねない危険をはらんでいる。ビッグサイトの運営会社は、イベント主催者側にエスカレーターを危険な満員状態にしないよう注意を促していたというが、実際はすし詰め状態だったとみられ、安全管理の甘さが問われそうだ。

 エスカレーターの積載荷重は建築基準法で定められている。日本建築設備・昇降機センター参事の高木堯男(たかお)氏は「乗客の多い通勤ラッシュ時の駅でも7割ぐらいの状態。開場と同時に一気に乗り込めば、積載荷重を超え、急停止することも考えられる」とみる。

 運営会社は「製造メーカーの説明に従い、満員状態にしないよう主催者側に伝えた」と話すが、主催者側は「運営会社に注意は受けていない。急停止は想定外」と反論。1階と4階に警備員を配置し「走らないでください」と呼び掛け、エスカレーターも警備員が先導したという。

 事故機は高さ16メートル、長さ30メートルで傾斜は30度。高木氏は「下りで急停止すれば、前のめりになって転落するなどもっと大きな被害が出ただろう」と話している。

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080804-00000033-san-soci