記事登録
2008年08月04日(月) 09時00分

あの頃に戻りたい!「昭和」がコンセプトの酒場が中高年にブームダイヤモンド・オンライン

 日本全体が活気に満ちていた昭和が終わり、小渕官房長官(当時)が額を掲げて始まった平成もすでに20年が経過した。そんな今、昭和をコンセプトにした居酒屋が中高年オヤジの心をくすぐっている。映画『ALWAYS 三丁目の夕日』に代表されるレトロな世界が、仕事に疲れたビジネスマンを癒しているのだ。そんな“昭和酒場“の今をレポートする

「カーン!」

 入店すると打ち鳴らされるゴング。東京・新宿をはじめ全国に6店舗ある 「アントニオ猪木酒場」は、プロレスをテーマにした昭和酒場だ。

 壁面には古びたキャバレーやパチンコホールの部屋、壁に飾られた古いプロレス雑誌の表紙などがレトロ感を醸し出す。トイレまでもがタイル敷でつくられているなど、昭和をコンセプトにした施設の特徴である昭和30〜40年代頃の街並みが郷愁を誘う。

 また、いたる所に設置されているテレビからは、アントニオ猪木の試合の映像が流れ、熱中してテレビ観戦していた子どもの頃に戻ることができる(筆者が訪れたときは“熊殺し”ウイリー・ウイリアムスとの異種格闘技戦が放映されていた)。

 次に紹介したいのは、六本木や恵比寿など都内に7店舗を展開して人気の「駄菓子バー」)だ。視覚も聴覚も刺激される空間は、一歩踏み込むだけで昭和30〜40年代にタイムスリップさせてくれる。お小遣いが少なかった子どもの頃はできなかった駄菓子の食べ放題(500円)も、お酒片手にお腹いっぱいできる。しかし筆者には、子どもの頃にはなかったメタボという悩みがあるため、思いっきり食べられないのが残念。人生とは皮肉なものである。

 最後に紹介するのが、東京のフォーク酒場の草分け的存在である「落陽」だ。「人前で歌いたい、演奏したい」という中高年の夢を叶えるステージがあるこの酒場は、荻窪と新橋に2店舗ある。ここで演奏することや、フォークソング仲間と出会うことを目的に全国からファンが集まってくるという。取材当日も「出張がてら来た」という新潟県の男性(51歳)や、「この店で歌うために名古屋からきた」という30代の男性など、昭和を思い起こさせるフォークソングを通じて心の交流ができる酒場となっている。

 昭和酒場は古き良き時代にタイムスリップする空間である。また最も輝いている自分を確認する大人の社交場なのだ。中高年のオジさんたちは、ここで仕事や家庭でのストレスを発散し、また明日から振り出しに戻る旅をはじめるのだ。

(フジイナオキ)

■関連記事
1000円台で楽しめる おとなの居酒屋紹介
スッキリさわやかな口当たり!夏バテ対策にはオクラ酒
オトコのための“使える”極上シティホテルはここだ!
週刊ダイヤモンド連載「部課長推薦この料理このお店
『記憶がなくなるまで飲んでも、なぜ家にたどり着けるのか?』

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080804-00000000-dol-bus_all