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2008年08月04日(月) 16時11分

エステ店、突然の閉鎖から1カ月 大丸京都店、未使用分払い戻し産経新聞

 ■利用客混乱の中、老舗勇断

 大阪や神戸など全国24カ所でエステサロンやヨガスタジオを営業するシュウコーポレーション(大阪市北区)が先月1日に突然店を閉鎖してから1カ月が経過した。同社からは何の説明もない状態が続き、各地の消費生活センターには100件を超える相談が寄せられるなど、料金を前払いした利用客に混乱が広がっている。同社を入居させていたテナントの中には、「道義的責任」から利用券の払い戻しに応じるなど、独自の救済策を講じるところも現れ始めた。

 大阪市中央区のショッピングセンターにある同社のエステサロンは店舗内こそそのままだが、入り口には「営業中止のお知らせ」の張り紙が掲示され、閑散とした状態。同店で脱毛コースを3年契約し、約40万円を支払った大阪市生野区のアルバイト女性(25)は「こういうのって、お金は返ってこないんですよね」と肩を落とす。

 一方、同社のヨガスタジオがあった大丸京都店(京都市下京区)は同社と連絡がつかない中、独自の対応策を取っている。「法的責任がなくても、大丸の看板を信用されたお客さまもおり、道義的責任がある」と未使用の利用券の払い戻しを始めている。こうした救済策に、利用客からは「助かった」「さすが老舗」と感謝の声が寄せられている。

 だが、ほとんどの利用客に、前払いした料金は返済されないままだ。大阪市北区の脱毛エステに通っていた兵庫県尼崎市の女性(28)は「70万円も先払いしたのに何も説明がない」と話し、大阪府の女性(24)も「まだ契約が1年近く残っているのに」と怒りが収まらない。

 京都、大阪、兵庫の消費生活センターには、先月末までの1カ月間に100件以上の相談が相次いだ。しかし、同社が倒産した場合、利用客への返金は同社の資産から税金や従業員の未払い分の給料を支払った後になり、「一般的に返金はほとんどない」(大阪市消費生活センター)という。

 民間調査会社によると、同社は平成11年に設立。手ごろな料金設定で業績を伸ばしたが、ここ数年は急激に店舗を拡大した影響で収益が悪化していた。

 また、同社の本社が入居するビル管理会社などによると、昨年末以降は家賃を滞納するほど資金繰りに困っていたという。今年5月に脱毛エステを16万円で新規契約した京都市の女性は「1回も施術を受けていない。詐欺みたい」とショックを受けていた。

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