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2008年08月03日(日) 21時19分

<北京五輪>IOC、ネット問題の改善を強調毎日新聞

 【北京・杉尾直哉】中国当局が北京五輪取材の報道関係者のインターネット利用を制限していた問題で、一部サイトの閲覧制限は3日現在も続いている。国際オリンピック委員会(IOC)は改善を強調しており、開会を前に、うやむやにネット問題の幕引きを図ろうとしている。

 IOCのジャック・ロゲ会長は2日会見し、「改善が見られた」と述べた。北京五輪のプレスセンターでは当初、国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルや英BBCの中国語版などが閲覧できず、大問題となっていた。その後、これらのサイトは閲覧できるようになったが、中国政府が弾圧する「法輪功」などのサイトの閲覧はできず、「自由」や「人権」などの言葉を英語でネット検索しても結果が表示されない状態が続いている。

 ロゲ会長は「我々が中国側にフル・アクセス(完全に自由なネット利用)を求めた結果、BBCなどのサイトが閲覧可能となった。この国でこのような前例はない」と述べた。

 だが、「フル・アクセス」の意味を問う質問が相次ぐと、ロゲ会長は、「ネット問題は競技運営全体の中の小さな問題だ。アテネ五輪開幕直前には競技場建設が間に合うかが最も問題視されていたことを思い出してほしい」と反論した。

 これに先立つデービスIOC広報部長の会見では、「ネット検閲は行われないというIOCの約束が破られた」などの怒りの声が記者団から続出した。また、天安門広場からの生放送が許可されなかったとして、IOCに不満をぶつける記者もいた。

 北京五輪開会式に出席予定のラッド豪首相は、中国指導層との会談時にネット規制問題を取り上げる考えを表明している。

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