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2008年08月03日(日) 22時41分

<エスカレーター急停止>名古屋の事故もオーチス社製毎日新聞

 今回と同じ日本オーチス・エレベータ社製のエスカレーターでは今年5月、名古屋市中区の市営地下鉄久屋大通駅で11人が軽傷を負う事故があった。なぜ、急停止し、逆走したのか。専門家からは、金属疲労による部品の破損や荷重オーバーを指摘する声が上がった。

 今回の事故では、緊急停止ボタンが押された形跡はない。なぜ、停止したのか。エスカレーターの性能評価を行う日本建築設備・昇降機センターの高木尭男(たかお)参事は「乗りすぎで制限荷重を超えたか、荷重に対する安全装置の設定が誤っていた可能性がある」と推測する。実際、オーチス社の広報担当者も「加重がかかり異常となると緊急停止する。重みで下がることはある」と話した。

 名古屋の事故では、モーターを支える台座のボルトが破損し、「駆動チェーン」が緩んで、電磁ブレーキによる制御ができず、逆走したとみられている。エスカレーターの構造に詳しい東洋大の高橋儀平教授(建築学)は「名古屋のケースと同様、部品が何らかの金属疲労を起こして破損、チェーンが緩み、電磁ブレーキが利かなくなった可能性がある」と指摘した。【沢田石洋史、樋岡徹也、堀文彦】

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