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2008年08月02日(土) 08時00分

【新閣僚の横顔】経済財政 与謝野馨 「無役」時代も首相の相談役産経新聞

 党内きっての経済、財政通で、福田康夫首相の相談相手であるなど信頼も厚い。無策と批判されてきた福田政権の経済政策のかじ取りを任されることになったが、消費税率引き上げは必要との立場で「財政再建重視派」と位置付けられている。「経済成長重視派」とされる中川秀直元幹事長らとの綱引きも注目の的だ。

 平成18年の咽頭(いんとう)がん発症で政治生命は終わったかとみられたが、19年の安倍晋三改造内閣の官房長官で復活した。

 その直後の9月、安倍首相が所信表明演説後に突然、辞任を表明し、入院した際には、首相臨時代理が置かれなかったことから、官房長官として首相官邸を取り仕切り、調整能力、統率能力の高さもうかがわせた。

 その後、福田内閣で「無役」となっても、薬害肝炎被害者の救済策として議員立法の策定を進言したほか、道路特定財源の一般財源化を福田康夫首相に助言するなど、ますます「職人かたぎ」に徹して、衆参ねじれ国会の中、支持率が低迷する福田内閣を陰に日なたに支援してきた。今年4月に初の著書「堂々たる政治」を出版した。「耳障りなことを言う」をモットーにし、咽頭がんからの復活後はより一層、自分の意見を強く主張するようになった。今回の入閣では、担当の傍ら「内閣の重し」としての期待もかかるが、党内に基盤がない弱みがどう影響するか。

 中曽根康弘元首相の秘書を経て衆院議員に。官房長官のほかにも文相、通商産業相、自民党政調会長など要職を歴任してきた。平成12年の衆院選で、都市部を中心に与野党逆転する「1区現象」で民主党の海江田万里氏に敗れ落選。これを機会に、派閥を離脱した。

 趣味は、ゴルフ、カメラ、釣りなど多岐にわたる。中でも囲碁はアマ七段で「政界最強」とされる。祖父母は明治の歌人、与謝野鉄幹、晶子夫妻。家族は妻と2男。

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