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2008年08月01日(金) 21時30分

<マジコン問題>著作権法の“落とし穴”突く ユーザーの自覚も重要毎日新聞

 ニンテンドーDSなどのゲームソフトのコピーをネットでダウンドロードすると、無料で遊べてしまう「マジックコンピューター(マジコン)」と呼ばれる機器が一部で出回っている。任天堂など54社が29日、マジコンの販売店5社を相手取り、不正競争防止法違反で輸入・販売行為の差し止めを求め提訴したが、そこには著作権法の“落とし穴”があった。

 マジコンは、DSソフトから取り出したプログラムデータの入ったマイクロSDを差し込むと、DSのカートリッジとして使えるカード型の機器で、ネットショップや秋葉原の電気店などで5000円前後で手に入る。関係者によると「一番有名なマジコンだけで10万台以上は堅い。だが実数はそれ以上」という。

 ソフトは、中国語や英語で書かれた海外サイトで、無料で手に入る。データは、日本で発売されて、数日もたたないうちにアップされる。大手メーカー社員は「感心するほど早い」と苦笑するほどだ。

 ソフトの違法コピーなどを守るのは著作権法があるが、マジコンの場合、ソフトはネットで無料配信されており、ユーザーが自身でソフトを入手しているため、それを動かすだけのマジコンの販売が著作権法に抵触するかは微妙という。そのため、不正競争防止法違反での提訴となった。

 コピーガードをはずして、プログラムデータをネットで配布することはもちろん違法だが、海外サイトのため、実質的な手が打てないのが実情。コピーガードの対策を取っているソフトも出ているが、すぐに突破される“いたちごっこ”だという。

 日本を代表する文化に成長したテレビゲームのソフトは、ばく大な資金とクリエーターの苦心が詰まった知的所有物の結晶だ。マジコンは、それを守る著作権法などの“抜け穴”を付いたもので、今回提訴自体はメーカーの苦渋の決断と言える措置といえる。

 マジコンの製造元や流通ルート、ソフトを配信するサイトとの関係などを解明することはもちろん、ネット時代で遅れが指摘される著作権法などの法整備の必要性を訴えていくべきだろう。もちろん、ネット上で違法性のあるものが簡単に手に入ってしまう時代に、ユーザー一人一人が“自覚”を持つことが求められている。【河村成浩、立山夏行】

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