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2008年08月01日(金) 11時01分

<法科大学院>院生の4割近く、弁護士少ない地域で働く意思毎日新聞

 関東地方の法科大学院生の4割近くは、弁護士の少ない地域で働く意思を持っていることが、関東弁護士会連合会(関弁連)の調査で分かった。一方、弁護士過疎問題をカリキュラムに取り入れている大学院は少数派で、関弁連は「法科大学院で過疎問題に取り組むことが、弁護士偏在の解消につながる」と期待している。

 関東甲信越と静岡の13弁護士会でつくる関弁連は3〜4月、管内の法科大学院36校とその院生約8000人にアンケートを実施。弁護士過疎問題についての意識を探った。

 回答を寄せた院生1396人のうち、弁護士過疎地域で「活動したいと思う」と答えたのは520人で37%を占め、「思わない」の22%を上回った。その理由は「弁護士の使命」「弁護士過疎地域の出身で必要性を実感していた」「法曹人口を増やした以上は義務」などだった。

 また、「どちらとも言えない」と回答した中にも、「都市部で経験を積んでからなら行ってもよい」「金銭面で保証されるなら」などの声もあった。

 一方、回答した大学院32校のうち、弁護士過疎・偏在問題に関するカリキュラムや企画を実施しているのは10校にとどまり、今後も予定しない大学院は21校に上っていた。

 裁判所があるのに弁護士がいない「弁護士ゼロ地域」は6月に解消されたが、弁護士が都市部に偏る状況は続いている。弁護士1人当たりの人口(今年4月現在)は最少の東京都が約1050人なのに対し、青森、茨城の2県では2万人を超えている。【北村和巳】

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ことば:法科大学院

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