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2008年08月01日(金) 00時05分

備後代表する企業…驚く財界中国新聞

 工作機械などを製造販売するホーコス(福山市)が31日、警視庁や広島県警の捜索を受けた。容疑は外為法違反。核兵器開発などにも転用可能な精密機械の不正輸出という疑いが持たれている。菅田秦介会長が福山商工会議所の会頭を務め、「モノづくり備後」を代表する企業の一つ。地元関係者や従業員らの驚き、戸惑いが広がった。

 同社は、安定した財務力から積極的な設備投資を進め、2007年11月には福山市駅家町の福山北工業団地に工作機械工場を増設した。菅田会長は2004年11月から福山商議所会頭を務め、県工作機械器具協同組合理事長も兼ねる。

 捜索の知らせを受け、福山商議所の石井耕二専務理事は「突然のことで状況が把握できない。違反内容も不明確で捜査を見守るしかない」と話した。会頭の進退問題が浮上する可能性もあるが、ある副会頭は「会頭自身が判断されることだ」と話した。

 前会頭の松本卓臣福山ガス社長は「福山を代表する優れた企業だけに驚いている。地元経済界にとって大きな事態であり、推移を見守りたい」と受け止めていた。

 一方、産業機械を製造する県東部の上場企業は「最終製品を出荷するメーカーの責任として、性能実験を繰り返して製品の正しい仕様を表示しなければならない」との見方を示した。

 福山市の羽田皓市長は「大変驚いているが、捜査中なのでコメントは差し控える」との談話を出した。

 容疑の対象とされる「マシニングセンタ」の設計に携わったという男性従業員は「警察が来て、別室で待機させられた。今後、どうなるのか」と困惑気味。捜索は夜まで続き、捜査員は押収品を入れた段ボール箱をトラックに次々と運んだ。

【写真説明】ホーコスの工場から押収品を運び出す捜査員(31日午後2時40分、福山市草戸町)

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200808010071.html