小島 デジタルで提供すると紙の本が売れなくなると言われました。そのようなときは、本の購入者が100万人だとしても携帯は1億人の利用者がいるので、「新しい利用者を取り込めば、本が売れなくなった分以上の利益がでます」と説得しました。パソコンでは簡単にコピーができてしまいますが、携帯は著作権保護の仕組みがしっかりしている点も安心につながったようです。
小島 ホスト事典や引っ越し事典を近く出します。
小島 ウィキペディアはウェブ2.0の代表的なサービスで、さまざまな人の手を介してできあがっているすばらしい仕組みです。しかし、信頼できるメディアかというとそうではありません。書かれてあることに対してはだれも責任がない分、無責任になってしまっています。ウェブ3.0は、ウェブ2.0に信頼性1.0を加えたものだと考えています。
JLogosで収録されているデータベースは、しっかりした監修を経て出版された辞書、辞典、事典です。利用者から間違っているという指摘があった場合、出版社に連絡して誤っていたことがわかると修正しています。
また、どのような言葉がよく検索されているのかがわかるので、そのキーワードでの検索結果がなかった場合、新語辞典などで新語として収録するようにしています。
小島 有料会員は約3万人で、毎月20〜30万語が検索されています。入会時に住所、名前、性別、生年月日、血液型、職業などを入力してもらっていますので、実際どのようなことに興味があるのかが、年齢層、男女別、職業別、血液型別、地域別にわかります。将来、JLogosが普及し、マーケティング収入が得られるようになれば、利用料を引き下げたり、無料でサービスできるようになるかもしれません。
小島 電子辞書メーカーのように広告費をかけられないので、まずはJLogosの認知度を高めて、利用者を増やすことが大きな課題です。
小島 テレビを見ていたり、新聞を読んだりしているときに、「京都議定書」という知らない言葉をすぐに調べることができれば、正しい知識が得られます。テレビや新聞が、見るテレビや読む新聞から、理解するテレビや新聞に変わるのです。
大学時代の仲間が今、脳神経の活動を読みとってコンピューターで操作するBMI(ブレインマシンインタフェース)の研究をしており、すでにジャンケンの脳波を事前に察知する仕組みは完成しています。いずれはわからない言葉を思い浮かべただけで、眼鏡型ディスプレーなどに情報を表示させることも可能になると思っています。(メディア戦略局 山根章義)