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2008年07月17日(木) 15時23分

本庄保険金殺人 八木茂被告の死刑確定へ 有料会見200回以上産経新聞

 埼玉県本庄市の保険金殺人事件で、3人を次々に殺傷したとして、殺人などの罪に問われた八木茂被告(58)の上告審判決が17日、最高裁第1小法廷であった。泉徳治裁判長は八木被告側の上告を棄却した。八木被告を死刑とした1、2審判決が確定する。八木被告は事件への関与を否定し、無罪を主張していた。
 1、2審判決によると、八木被告は愛人だった女3人=いずれも実刑確定=と共謀。平成7年6月、佐藤修一さん=当時(45)=に猛毒のトリカブト入りのあんパンを食べさせて殺害し、保険金約3億円を詐取。また、10〜11年にかけ、風邪薬と酒を大量に飲ませるなどして、元パチンコ店員、森田昭さん=当時(61)=を副作用で殺害。同様の手口で男性1人を殺害しようとした。
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 市販の風邪薬などを凶器に使い、保険金詐取目的の完全犯罪を企てた八木茂被告。11年に疑惑が発覚すると、埼玉県本庄市内の自らが実質的に経営するスナックなどで、連日のように“有料記者会見”を開くなど、その特異な言動はマスコミの注目を集めた。
 有料会見は1次会6000円、2次会3000円。八木被告は会見で「埼玉県警は俺(おれ)を逮捕できない」などとうそぶき続けた。
 また、会見を行ったスナックの店内に気に入った記者のランキング表などを張り出し、店内でキックボードに乗るなどの奇行を続けた。逮捕されるまでの約8カ月間の会見回数は200回を超えた。
 一方、1審さいたま地裁判決は、八木被告の残虐性を浮かび上がらせていた。
 殺害した森田さんに、風邪薬と酒を大量に飲ませ続けていた際、共犯の女らに「森田さんも長いことない」「死ぬ日が当たったら100万円くれるから」などと賭の対象にし、死亡する経緯を楽しんでさえいた。

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