記事登録
2008年07月02日(水) 13時13分

企業向けの機能を満載する『iPhone 3G』japan.internet.com

Apple によれば、7月11日発売予定の『iPhone 3G』には、企業顧客の求めていた機能が満載されているという。その筆頭に挙げられるのは、Microsoft の『Exchange Server』への対応、そして、iPhone の紛失や盗難の届け出を受けた IT 担当者が、その iPhone のデータを遠隔操作で消去できる機能だ。

3月に iPhone 用ソフトウェア開発キット (SDK) 『iPhone SDK』のベータ版を発表した際、Apple は企業顧客が最も望んでいるという機能の追加を強調していた。先に述べた Exchange Server への対応により、企業の Eメール システム (正確にいうと、Exchange Server が稼働しているシステムのみで、『Lotus Notes』などの製品には対応していない) との相互運用が可能となる。また、Eメールやスケジュール情報にリアルタイムでアクセスするための、いわゆる「プッシュ」型サービスも実現できる。これは、Research In Motion (RIM) の『BlackBerry』製品などの機器では標準的な機能だ。

Apple の CEO (最高経営責任者) Steve Jobs 氏は、6月9日から13日にかけて開催した同社の開発者向けイベント『Worldwide Developer Conference』(WWDC) において、すでに Fortune 500 企業の35%が iPhone SDK のベータテストに参加していると述べ、iPhone に対する企業の関心の高さを強調していた。

しかし、iPhone が企業から非常に快く歓迎されるという点について、少なくとも IT 部門からはどうなのか、疑問視するアナリストらもいる。

コンサルティング会社 J. Gold Associates の社長兼主席アナリスト Jack Gold 氏は、iPhone に暗号化機能が欠けている点を指摘した。セキュリティの観点から IT 担当者の支持を得ている他の機器では一般的な機能だ。また、iPhone のデータを遠隔操作で消去する機能は効果的だが、最終的に IT 担当者が連絡を受け取るまで、ユーザーが iPhone の盗難や紛失に数日以上気付かない場合がありうる。その間、犯人が貴重なファイルにアクセスし、iPhone の無線機能を無効にして、遠隔操作によるデータ消去ができなくなるようにするおそれもある。

Apple は iPhone に搭載予定の企業向け機能について、WWDC における Jobs 氏のプレゼンテーションの Web 放送や、同社 Web サイト上の資料を参考にするよう勧めてくれたが、本記事に対しそれ以上のコメントは得られなかった。

【関連キーワード】
『iPhone SDK』のベータ版 | iPhone に対する企業の関心
【関連記事】
ZEKE CMS 3.0、iPhone に正式対応
Apple と DRM が音楽業界に与えた打撃
「iPhone、どれだけの量が出るのかわからない」〜KDDI 小野寺社長6月度会見

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080702-00000012-inet-mobi