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2008年06月04日(水) 15時13分

フィリピン人母の婚外子10人に日本国籍 最高裁判決朝日新聞

 結婚していない日本人の父とフィリピン人の母から生まれた子ども10人が、日本国籍の確認を国に求めた訴訟で、最高裁大法廷(裁判長・島田仁郎(にろう)長官)は4日、10人全員に日本国籍を認めた。

 出生後に父から認知されても、両親が結婚していないことを理由に日本国籍を認めない現在の国籍法は、憲法14条の「法の下の平等」に反すると判断した。結婚しているかによる区別が違憲とされたのは初めて。法務省は国籍法の改正を迫られる。

 国籍法の2条1項によれば、父母が結婚していない「婚外子」でも、生まれる前の段階で父の認知があれば、子どもは国籍を取得する。しかし、国籍法3条1項は、生まれた後に認知された場合には、父母が結婚していなければ国籍を得られないと定めており、この条文の合憲性が争点となった。

 同じ国籍問題を抱える子どもはフィリピン人が母親の場合に限らない。正確な統計はないが、国内だけで数万人という推計があり、海外にも相当数いるとみられる。

 最高裁が法律を違憲と判断した判決は、海外に住む日本人に選挙権を認めない公職選挙法を違憲とした05年以来で、戦後8件目。

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http://www.asahi.com/national/update/0604/TKY200806040187.html