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2008年06月01日(日) 12時17分

<疲れ目>パソコン作業で肩こり、視力低下など眼精疲労 対策は…(下)毎日新聞

 毛様体筋の疲労を回復させるサプリメントを摂取する方法もある。その一つがクチナシの果実から抽出されたクロセチンだ。サフランなどにも含まれる天然カロテノイドの一種だ。おせち料理のくりきんとんなど、昔から黄色の着色料として使われてきた色素だ。

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 梶田医師らは眼精疲労の症状をもつ13人を二つのグループに分け、一方には1日10ミリグラムのクロセチン、もう一方には同量の偽サプリメント(プラセボ)をそれぞれ4週間摂取してもらい、効果を比較した。その結果、クロセチンの摂取群は、プラセボ群に比べ、毛様体筋の疲労が速く回復することが分かった。

 ◇交通事故後に発症

 こうした効果が解明できたのは、梶田医師が毛様体筋の微妙な活動の様子(水晶体の振動)を目の疲れの指標として計測する方法を開発したからだ。この装置で目を調べると、視力がよいからといって、毛様体筋の働きが正常とは限らないことが分かる。

 交通事故に遭った16歳の女性は左右の視力が各1・2とよいのに、目を酷使すると頭痛などの症状が表れる眼精疲労を訴えた。梶田医師が診たところ、毛様体筋が緊張していることが分かった。目に合ったメガネを使い始めたところ、1〜2カ月で眼精疲労の症状が消えた。

 梶田医師は「交通事故でむち打ち症になった人の約1〜2割でこうしたケースが見られるので、自分の目に合ったメガネかどうかをチェックすることが大切だ」と話す。

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