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2008年05月30日(金) 00時00分

300億円超減、大阪府の法人2税落ち込み朝日新聞

 大阪府の法人2税の08年度税収見込みが、当初予想より少なくとも300億円、最大で500億円程度も下回る見通しとなった。サブプライム問題などで国内企業の業績が予想より急激に悪化したためだ。橋下徹知事は税収増を前提に今年度1100億円の財政再建を目指す方針だが、早くも収支見通しの修正を迫られる可能性が出てきた。

 府財政課によると、今年度の法人事業税と法人府民税の2税の収入は、1月時点で前年度比1.8%増の5734億円と見込み、7月末までの暫定予算には、その46%分の2610億円を計上した。

 だが、昨夏以降、米国の低所得者向け住宅融資「サブプライムローン」の焦げ付き問題に端を発する金融危機や原油高騰、円高ドル安などの影響を受け、企業業績が急速に悪化。今月発表された3月期の企業決算を基に府が試算したところ、法人2税は当初予想より300億〜500億円も下回る結果になった。府の担当者は「我々の予想を超えた景気減速」と話す。

 橋下知事は今年2月、21年度までの財政収支の見通しを発表。今年度から9年間で総額6500億円の収支改善をしなければ、16年度に財政健全化団体に陥ると試算し、今年度は1100億円の財政再建に取り組んでいる。

 こうした試算は、大阪経済が年率1.3%ずつ伸びることを前提としているため、歳入の4割を占める法人2税の急激な落ち込みで、さらなる歳出削減が必要になるのは避けられない見通しだ。府幹部は「当初試算の伸び率1.3%は楽観的過ぎた。知事のプラン見直しは避けられないだろう」と指摘している。

 府は今年度の減収分300億〜500億円は、減収補填(ほてん)債を発行して補う方針。元利償還の75%は次年度以降に国からの交付税で補われるが、25%は府の負担になる。(春日芳晃)

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 〈法人2税〉 企業が本社や支社などの事業所を置く都道府県に対し、所得などに応じて払う「事業税」と、法人税などを基準に税額が決まる「都道府県民税」。大阪府では89年度の8352億円をピークに、バブル経済の崩壊などで急激に減少。02年度の3554億円を底に回復基調に転じたが、昨年度は伸び率が鈍化し、当初見込みを327億円下回る5634億円だった。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805290103.html