記事登録
2008年05月30日(金) 00時00分

警察官520人削減、撤回へ 橋下知事、譲歩の意向朝日新聞

 大阪府の橋下徹知事は29日、部局長との公開議論に臨み、改革プロジェクトチーム(PT)が削減方針を示していた定数外の警察官520人について「治安の向上に警察官の数が一番重要だと十分認識している」と述べ、削減しない意向を示した。また、関西空港の利用促進事業への分担金についても廃止方針を撤回し、支出を継続する考えを明らかにした。

 この日の議論で、府警の縄田修本部長は「警察官が減らされれば直接治安に影響する」と述べ、政令定数を上回る警察官520人の削減や第二枚方署の新設事業の凍結を撤回するよう要望。橋下知事も「何とか警察力を維持していきたい」と理解を示した。

 また、2府7県などで構成する関西国際空港全体構想促進協議会の利用促進事業への分担金(約2億5千万円)について、橋下知事は「これを出さないと、国は(経営安定のための)補給金90億円を出さないのか」と正木裕・にぎわい創造部長に質問。「これは政治問題」と言われると、「自分には政治力はない。国から地元も汗をかけと言われたらしゃあない」と述べ、制度維持を表明した。

 議論後、橋下知事は報道陣に「警察力、障害者支援、切迫した命にかかわることは、財政状況がどうであれ堅持しなければならない」と述べ、PT案を今後も見直す可能性を示唆した。部局との議論は30日も行われる予定だ。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805290104.html