野村証券元社員らによるインサイダー取引事件で、証券取引等監視委員会は３０日、元社員ら３人を証券取引法（金融商品取引法）違反の疑いで東京地検特捜部に告発した。元社員らは２１銘柄のインサイダー取引で計約４７００万円の利益を得たとされるが、監視委は、このうち不正が裏付けられた４銘柄の売買について告発した。
告発されたのは、中国人で元社員のれい瑜（れい・ゆ＝「れい」はがんだれに萬）容疑者（３０）と知人の蘇春光（そ・しゅんこう）容疑者（３７）、蘇容疑者の弟（２５）の３人。
調べでは、れい、蘇両容疑者は０７年３〜１２月、れい容疑者が職務で知った診断薬メーカー「三光純薬」▽半導体関連会社「富士通デバイス」▽飲料メーカー「アサヒ飲料」▽臨床試験支援「サイトサポート・インスティテュート」の企業合併・買収（Ｍ＆Ａ）に関する重要事実が公表される前に、４社の株式を買い付けた疑い。４銘柄を売り抜けて計約１３７０万円の売却益を得ていた。
また、蘇容疑者の弟はインサイダー取引に使われるのを知りながら自分名義の証券口座を開き、蘇容疑者に使わせて不正取引を幇助（ほうじょ）した疑い。
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