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2008年05月23日(金) 00時00分

神戸「環境後進」汚名返上へ、あの手この手 新分別PR朝日新聞

 24日からサミット環境相会合が開かれる神戸市は、実は政令指定市の中で家庭ごみ排出量ワースト1だった——。こんな汚名を返上しようと、市は矢継ぎ早に対策を打ち出し、「環境に優しい都市」とのPRに懸命だ。(榊原謙)

家庭ごみの排出抑制をPRするワケトン(左)と妹のトコトン=神戸市役所

 神戸市によると、市民1人当たりの1日の家庭ごみ排出量は767グラム(06年度)で、前年度に続きで指定市トップ。対策が出遅れたのは、95年の阪神大震災からの復興を優先したためという。

 このため市は11月から、家庭ごみの分別収集で透明な指定袋制を導入する。袋は「燃えるごみ」「燃えないごみ」「缶、瓶、ペットボトル」の3種類。市が06年度、回収したごみ袋を開けて中身を調査したところ、「燃えるごみ」の約3割が段ボールやペットボトルなどの資源ごみだった。分別を厳格化することで、「燃えるごみ」の1割ほどの減量を目指す。

 新分別ルールをPRするために、市はきれい好きのブタのキャラクター「トコトン」を4月に製作。分別収集キャラクター「ワケトン」の妹で、「ごみと資源の分け方をトコトン覚えよう」と、兄妹でごみ削減をPRする。

 神戸市は、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの削減目標「10年度までに90年度比6%減」を掲げたが、逆に10年度には7.5%増になる見込みだ。一方、大阪市は04年度現在で90年度比4.7%、京都市は同年比1.6%の削減にそれぞれ成功している。

 神戸市のCO2排出量が多いのは、造船業や製鉄業などの企業が多いためという。このため市は、環境保全協定を結んだ約80社にCO2削減計画の策定も求め、その内容を市のホームページなどで公表する方針だ。

 市は3月、こうした一連の施策を解説する英語版のパンフレットを約2千部作成。環境相会合の期間中、各国の要人や外国メディアに配る。市環境政策課は「まずは他の指定市並みになりたい」としている。

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805230041.html