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2008年05月21日(水) 23時03分

消費者庁、内閣府の外局に 推進会議座長が素案朝日新聞

 政府の消費者行政推進会議が21日、首相官邸で開かれ、佐々木毅座長(学習院大教授)が最終報告の素案を提示した。内閣府の外局として「消費者庁」を設置し、各省庁に対する「強力な総合調整権限と勧告権を付与する」とした。消費者の意見を政策に反映させるため、有識者による委員会の設置も求めた。

 推進会議は週内に始まる閣僚折衝の結果を踏まえ、6月上旬に素案をもとに最終報告を仕上げる方針。これを受け、政府は基本計画を閣議決定し、秋の臨時国会に消費者庁の設置法案を提出する。

 素案は、消費者庁の重要な任務として「省庁の縦割りを超えた新法の企画・立案」をあげ、業者が違法に得た収益の没収や、行政が被害者に代わって業者に損害賠償訴訟を起こす「父権訴訟」の導入を視野に、「被害者救済のための法的措置の検討を進める」とした。

 消費者庁の体制としては、消費者行政の司令塔として省庁の総合調整などを担う部門と、業者への指導や商品テストなどを担う部門を設置する。悪徳商法や食品・製品事故などの被害情報を一元的に集約。同庁に置く「情報分析官」らが分析し、被害拡大を防ぐため「早期警戒情報」などを国民に発信し、関係省庁に対応を勧告する。

 有識者委員会は証券取引等監視委員会と同じく国家行政組織法8条に基づいて設置。消費者政策や各省庁の行政処分について、首相らに意見を述べることができる。

 また、地方の消費生活センターを相談受け付けから解決までを一貫して担う窓口として法的に位置づけ、全国に相談窓口のネットワークを構築する。そのための財源は「国が確保に努める」とした。

 各省から消費者庁への法律の移管については、「消費者に身近な問題を取り扱う法律は移管する」との原則を示したものの、各省庁との折衝が続いているため、個別の法律名は盛り込まなかった。

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