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2008年05月19日(月) 00時00分

キトラ壁画のはぎ取りを特殊電動工具で実演 明日香村朝日新聞

 キトラ古墳の十二支像壁画「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)」が特別公開されている奈良県明日香村の飛鳥資料館で18日、壁画のはぎ取りに活躍している特殊電動工具を使った作業の実演イベントがあった。

 文化庁は06年にダイヤモンド付きのワイヤをモーターで動かす特殊な電動糸ノコを開発し、公開中の「寅」像や四神のひとつ「朱雀(すざく)」のはぎ取りに威力を発揮した。この日はその改良型を使って、同資料館の杉山洋・学芸室長が作業を再現。四神の「玄武」の絵を描いた薄さ2ミリの漆喰(しっくい)と石材の間に慎重に刃を通したが、途中で「玄武」は真っ二つに。2回目の「朱雀」は数分ではぎ取った。

 杉山室長は「このように汗と涙を結集して取り外した壁画がいま飾られてます」と来場者の笑いを誘った。この日は同村の史跡を巡る「朝日・五私鉄リレーウオーク」(近鉄など主催)もあり、約2500人が初夏の田園風景を満喫した。

 特別公開(文化庁・同資料館主催、朝日新聞社後援)は25日まで。問い合わせはキトラりんりんダイヤル(050・7105・5355、午前9時〜午後5時)へ。

http://www.asahi.com/kansai/entertainment/news/OSK200805180047.html