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2008年05月19日(月) 03時02分

時短・残業免除を義務化へ 子育て支援で厚労省朝日新聞

 子育てと仕事を両立できるように、厚生労働省は企業に短時間勤務と残業を免除する制度の導入を義務づける方針を固めた。少子化対策の一環で、育児休業を取った後も、働き続けられる環境を整えるのが狙い。早ければ、来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出する。

 有識者らによる厚労省の研究会が6月にもまとめる報告にこうした方針を盛り込む。経営者側から反対も予想されるが、厚労省は少子化対策の柱として実現を目指す。

 育児・介護休業法は、3歳未満の子どもを持つ人が働きながら子育てしやすい環境を整えるため、(1)短時間勤務(2)残業の免除(3)フレックスタイム(4)始業・終業時刻の繰り上げや繰り下げ(5)託児施設の設置運営(6)育児費用の援助措置——のいずれかの導入を企業に求めている。

 厚労省は昨年、40歳以下の正社員を対象にアンケート(回答数約1560)。育休が取れなくなる1歳半以降の子どもを育てる際に、短時間勤務と残業免除が必要だとする答えが多かった。一方、別の調査で、短時間勤務制度のある企業は31%、残業免除は23%にとどまっていた。

 こうした実態をふまえ、厚労省は育児と仕事の両立には短時間勤務と残業免除が有効と判断。利用できる期間も小学校入学前後の時期まで延長することも検討する。

 研究会では、義務化する方法として、従業員が会社側に短時間勤務や残業免除を請求できる権利を与える仕組みも論議している。

 政府は「子育てか仕事か」の二者択一を迫られる状況が少子化の背景だとして、多様な働き方の普及や長時間労働の是正を目指す少子化重点戦略を昨年末に決めた。厚労省は今後、原則1回しか取れない育休の再度取得や、取得率1%未満の父親の育休取得を促す仕組みの具体化も急ぐ。(高橋福子)

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