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2008年05月17日(土) 13時20分

生き埋め114時間、観光客を救出 避難所480万人超朝日新聞

 【北京=峯村健司】中国・四川大地震で17日、テントやプレハブなどの避難所で暮らす被災者が、四川省内だけで480万人を超えることが同省政府の調べでわかった。インフラの復旧は大幅に遅れ、衛生状態が悪化している。衛生省は14の専門チームを被災地に派遣し、本格的な感染症対策に乗り出した。

四川大地震地図

 一方、各国から派遣された救援隊が被災地に入り、救出活動を本格化させ始めた。

 新華社通信によると、17日朝、震源地のアバ・チベット族チャン族自治州ブンセン県で、がれきの下に生き埋めになっていたドイツ人観光客が114時間ぶりに救出された。四川省綿陽市北川でも16日午後、男性(46)が100時間ぶりにがれきの下から救出された。持っていたティッシュを食べ、尿を飲みながら飢えをしのいだという。生き埋めになった人の生存率が極端に下がる発生後72時間を過ぎた16日にも、新たに2213人が救出された。

 地震発生から4日が過ぎ、避難所の環境は悪化している。避難施設の設置が間に合わず、屋外生活を余儀なくされている被災者が多い。ほとんどの避難所にトイレや水道はなく、48台の移動式浄水機と10台の仮設トイレが送られたが、極端に不足している。

 雨がやんで気温が上がり始めていることから、急速に遺体の腐敗などが進んでいる。いくつかの地域で感染症が発生する可能性があり、がれきへの消毒を進めている。中国政府は17日午前、遺体収容のための特別チームを現地に派遣した。被災地で救助にあたる医師は「対策が遅れれば、感染症が広がる危険性が高い」と話す。

 各国の救援隊は、ファイバースコープや救助犬を使って、がれきや土砂に埋まっている人の捜索をしている。ロシアは50人が綿竹で救助活動を開始し、新たに49人を増派予定。韓国隊47人とシンガポール隊55人はジュウホウで作業をしている。また、台湾からの救援隊22人も16日夜、成都に到着した。

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