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2008年05月14日(水) 03時20分

舞鶴の高1殺害 足取りほぼ解明 同行男性の特定が焦点朝日新聞

 京都府舞鶴市で府立高校1年の小杉美穂さん(15)が遺体で見つかった事件は、殺害されたとされる7日未明から、14日で1週間を迎えた。お気に入りのバッグに新品のサンダル姿で深夜外出した少女は、なぜトラブルに巻き込まれたのか。捜査の焦点は、事件直前まで行動をともにしていたとみられる男性の特定と、犯人を示す新証拠が現場から見つかるか、にかかっている。

 朝来(あせく)川沿いの雑木林で見つかった遺体の死亡推定時刻は7日未明。川沿いの道から河原に突き落とされた後、連れ込まれた対岸の林の中で頭部を鈍器で何度も殴られて失血死した。これが、遺体や着衣の傷に基づいて府警が描いた犯行状況のひとつだ。着衣は周囲に散乱していたが、性的暴行はされていなかった。

 自宅から現場へ向かう約7キロのルートは、道沿いの防犯カメラの映像でほぼ解明できた。舞鶴湾沿いの会社のカメラには同日未明、小杉さんに似た女性の前で、自転車を押して歩く男性の姿がとらえられていた。さらにその先の、遺体発見現場から約1.5キロのガラス工場のカメラにも二つの人影が映っていた。そのころ、ルート沿いの複数の住民は、男女が会話する声などを聞いており、小杉さんが男性と途中で会い、現場付近まで来ていた可能性は高まった。

 男性は誰なのか。事件後、川岸付近から見つかった小杉さんの携帯電話には、誰かと待ち合わせたことをうかがわせる通話記録やメールの送受信はなかったという。

 「引っ込み思案だった」と周囲が口をそろえる小杉さんが、初対面の人物と一緒にいたとは考えにくい。当日は、買って間もないサンダルとお気に入りの赤いバッグで装い、慣れないくつで約2時間も歩き続け、遺体の足には新しいまめが出来ていた。

 「仲良くしないで欲しいなーって心の何処(どこ)かで思ってるのかもしれない」(1日)「いい感じ。会いたい」(2日)「惚(ほ)れるなー」(同)

 小杉さんの携帯電話のブログには、10代の少女らしい心情や人間関係をうかがわせる記述もある。

 捜査本部が男性の特定とともに期待を寄せるのが、犯人に直結する指紋や、DNA型がわかる可能性のある資料だ。これまで遺体発見現場近くの土壌を持ち帰ってふるいにかけ、複数の髪の毛を検出したほか、小杉さんのつめと皮膚の間に残る物などを採取し、本人以外のものがないか分析を進めている。殴打に用いた凶器は棒状の工具とみられており、13日までに現場に近い川の中からスパナやさび付いた鉄の棒などを見つけたが、凶器である可能性は低いという。

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