記事登録
2008年05月07日(水) 11時25分

ストレス対策グッズから垣間見える 癒されたいオトコたちダイヤモンド・オンライン

 近年、うつ病などの精神的疾患にかかるビジネスマンが増加している。複雑な人間関係や膨大な業務に追われることで、心身のバランスを崩す人が多いのだ。あるデータによると、仕事に関して強い不安やストレスを感じている労働者が6割を超える状況にあるという。

 なんらかの対策が急務の中、「労働者の心の健康の保持増進」のための指針を厚生労働省が発表するなど、国としても看過できない問題となっている。

 そんなストレス社会に生きるビジネスマンの中で、ひそかに流行しているものが「癒しアイテム」だ。通常この手のモノのユーザーには女性が多かったのだが、その裾野は男性にまで確実に広がっているという。そんな「癒されたいオトコ」の実態とその人気グッズを紹介する。

「『いいかげんいしろっ!』って時、ありますね」。そう語るのは広告代理店会社に勤めるKさん(29歳男性)。毎日朝9時から夜は終電近くまで残業が続き、得意先からの無理難題を何とかこなす日々だ。そのため女性と出会うきっかけもなければ、付き合う暇もないという。そんな彼の気分転換は「アンツキャピタル」でアリの生態を観察すること。水分・栄養分が配合されたジェル状の物質の中にアリを放すと、そのジェルの中で巣をつくるというもので、外からその様子が一望できる。働きアリと自分の姿が重なってみえるらしく、このアリの巣を眺めることで心が落ち着くのだという。

 また、IT会社の役員であるSさん(31歳男性)のデスクには「ごあいさつ栽培セット」が置かれている。水を与えるだけで四つ葉のクローバーやおじぎ草など育てることができるというものだ。「水をやるだけで文句もいわず成長してくれます」こう語るSさんの言葉が、日々の苦労を語っている。

「ストレス解消は、夜ひとりきりのオフィスで叫ぶこと」というのはIT会社社長のF氏(32歳男性)。「『バカヤローッ!』と叫びたくなったときに口に当てて使うんですよ」というのが「叫びの壺」だ。この壺、なんと消音機能を備えており、大声を出しても小さな音量となってしまうスグレモノ。つい言いすぎてしまう性格上、小言は言わないように注意しているというF氏だが、普段言えないことを社員が帰ったあとのオフィスで使うらしい。「王様の耳は〜」ならぬ「社員の耳は〜」とは社長業も大変である。

 仕事の忙しさと比例し、日々増殖する癒しを求める男たち。「癒し市場」はまだまだ拡大されそうだ。


(フジイナオキ)


■関連記事
【竹中平蔵が語る】日本を地球環境基地にせよ!
会計のプロにコンサルを依頼する!【マンガ版】餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか
「癒し」ではなく「ストレス」が得られるクラシックCDが登場
「休むのが怖い症候群」のための、うつにならない休み方
入社1年以内に休・退職する「カゲロウ社員」急増中!

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080507-00000001-dol-bus_all