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2008年05月03日(土) 23時05分

<愛知・女子高生殺害>高校周辺に不審者 校長ら会見毎日新聞

 清水愛美さんが通う愛知教育大付属高校では、佐々木徹郎校長と山本建一副校長が3日午後記者会見し、「登下校時の指導を徹底していた。大変ショックを受けている」と沈痛な面持ちで語った。付近では不審者の目撃情報が相次ぎ、学校への防犯カメラ設置や不審者情報のメール伝送など児童・生徒の安全対策に力を入れていただけに、関係者や住民は衝撃を受けている。

 事件が起きた地域は田畑に交じってトヨタ自動車やアイシン精機、デンソーなどの工場が建ち、住宅も点在する。伊勢湾岸自動車道の豊田南インターが開通したことで、人の出入りも増えていた。

 山本副校長によると、学校周辺では4月30日午後4時半ごろ、校門の外や竹やぶで男が体を露出させ、同月中旬には下校途中の女子生徒が男に襲われかけた。学校はこれらの情報と、連休中の部活動中止を全校生徒に電話で伝えたという。

 清水さんの家がある愛知県豊田市によると、同月29日、現場近くの書店で男がトイレに女子を連れ込むなど、07年1月以降11件の不審事案が起きている。

 市が把握した以外にも、昨年12月ごろ現場近くの公園で不審者が複数回目撃され、清水さん自身も今月1日午後7時、自分のブログに「なんかこわいんだけど/お母さんおそいよお」と書き込み、2日正午すぎには「気持ち悪い/部活どうしよ」と書き最後の日記を終えている。

 相次ぐ事態に、豊田市は昨年度、生徒や保護者に不審者情報を一斉メールするシステムを導入。小中学校には警報装置を設置し、民間警備会社にパトロールを委託するなど防犯体制を強化していた。

 さらに、付属高の所在地・刈谷市でも、すべての市立保育園に監視用ビデオを設置したり、小中学校に鍵付き門扉を取り付ける対策を実施し、豊田市に隣接する岡崎市では3年で街路灯を2130本増設する防犯計画を実施に移していた。

 こうした自治体の努力にもかかわらず、今回事件が起きた。清水さんが住む地区の神谷幹夫区長(65)は「学校の防犯対策は向上している」としたうえで、今回のような事件を防ぐには自治体間の一層の連携が必要と訴えた。【式守克史、木村文彦、丸林康樹】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080503-00000083-mai-soci