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2008年05月02日(金) 00時00分

有毒ガス発生想定訓練 県警読売新聞

自殺者に見立てた人形を車内から救出する機動隊員

 硫化水素による自殺が相次いでいるのを受け、県警は1日、津市の県警本部で有毒ガスの発生を想定した現場対応訓練を行い、本部各課の警察官約100人が避難誘導や初動捜査の手順を学んだ。

 防護マスクに防護服姿の県警機動隊員が、「硫化水素発生中」と張り紙した乗用車内に自殺者がいるという想定で訓練を実施。隊員らは3人で縦に列を作って風上から現場に近づき、注意深く車のドアを開けて車内の人形を救い出した。

 硫化水素は強い毒性を持つ無色の気体で、卵が腐ったような刺激臭がある。吸うと瞬間的に意識を失う恐れがあり、現場の立ち入りには十分な装備が必要という。

 同隊の山本良小隊長は「2次被害を防ぐためにも、現場周辺に住民がいないかを確認した上で立ち入り禁止区域を広範囲に設定し、適切に対処してほしい」と呼びかけていた。

 県内では今年に入り、8人が硫化水素で自殺。県警は主要な警察署に防護マスクを備えているが、今月中にも全18署に計40個の防護マスクを増強配備する。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20080502-OYT8T00083.htm