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2008年05月01日(木) 00時00分

バター増産、生乳不足で6月以降は不透明読売新聞

 乳業各社が農林水産省の要請を受けて家庭用バターを増産することになり、5月の生産量は全国の月間消費量の約2割に相当する230トンが増える見通しだ。早ければ5月中旬に昨年と同量のバターが市場に出回る。

 ただ、原料となる国産生乳の供給量は限られており、6月以降もバターが増産され、品不足が解消に向かうかどうかは不透明だ。

 バター不足は、原料の生乳の不足が主な原因だ。ここ数年、牛乳の国内消費は減少傾向にあり、2006年春には北海道で生産過剰の生乳1000トンが捨てられた。これをきっかけに減産が進み、生乳の生産量は06年度に809万トンと前年度比2・4%減少し、07年度も同0・8%減となった。

 ところが、中国やロシアなどでバターやチーズなどの需要が増え、世界的に乳製品の価格が高騰した。原料を国内製品へ切り替える動きが進んだほか、乳業メーカーがチーズの国内生産に力を入れたこともあって、生乳が不足に転じた。

 農水省によると、生産者団体の08年度の生乳生産量は前年度を2・4%上回る計画。生乳の生産量は天候に左右されるほか、飼料の価格上昇で、酪農家がエサの量を控える傾向もあるという。生乳が順調に増産できるかどうかが、不足解消に向けた鍵になりそうだ。

http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/20080501gr02.htm