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2008年04月25日(金) 11時41分

古き建物をリノベーションオーマイニュース

 東京都北区に新しい中央図書館が建設されている。場所は、JR十条駅から約10分。自衛隊駐屯地に隣接した集合住宅に囲まれた地域である。ここに建てられた図書館が非常に良い景観となっていたので写真に収めてきた。

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 戦前の陸軍兵器工場の一部として使われていた赤レンガの建造物(275号棟)は、東京砲兵工廠銃砲製造所の一部として1919(大正8)年に建造されたものであり、近代産業の歴史や当時の建築技術を知る上での大変貴重な建物であるらしい。

 通常、日本ではスクラップ・アンド・ビルドが多いが、北区ではレンガ建造物を生かして、リノベーションを行い図書館として生まれ変わらせた。

 最近、歴史的に貴重な建物を解体するか? 残すべきか? というニュースをよく耳にする。例えば、阿佐ヶ谷の通称「トトロの家」は公園として保存されることになったが、ウルトラセブンにも登場した学習院大の「ピラミッド校舎」は老朽化を理由に解体された。音響の素晴らしさで世界のトップミュージシャンから絶賛されていた大阪フェスティバルホールも、同じ理由から解体される。

 最近の建物は、没個性化していて(建築家が設計した建物はそれぞれ面白みはあるが)、印象がないものが多い。だからこそ、北区の決断はすばらしいと思う。

 古いものより新しいものの方が、人間誰しも良いと思う。しかし、建物がもつ美しさや、いにしえの技術がなくなることは悲しく思う。少しでも、古き建物をリノベーションして使い続けていって欲しいと、建物好きの私は願わずにいられない。

(記者:大野 もとみち)

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