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2008年04月21日(月) 12時43分

“お騒がせ”カダフィ大佐による究極の「省庁再編」計画COURRiER Japon + hitomedia

リビアの指導者であるムアンマル・カダフィ大佐が、3月2日に行った発表に、アラブ世界は驚愕した。 「何年ものあいだ、リビア国民は各省庁が自分たちの要望に応えないことに不満を訴えてきた。これらの省庁は今日ではタコと化し、腐敗と汚職と仲介による便宜の計らいが、はびこっているありさまだ」こうスピーチしたカダフィ大佐は、リビアの省庁の大部分を廃止することを明らかにしたのだ。主権にかかわる省(防衛省、公安省、外務省など)と、国家戦略的なプロジェクト(道路建設や空港建設など)を残す以外は、すべての省庁とプロジェクトを廃止するという。カダフィはこの決断について、 「毎年370億ドルも使ってきたが、全人民委員会(政府)は、このカネを運用・管理することに失敗した。失敗したからには、委員会は存続すべきでない」
と主張する。では、教育や医療といった“公共サービス”はどうなるのか? 
“偉大なる大佐”の計画は、リビアの豊富な石油資源で儲けた資産を国民に直接分配し、国民自らが開発計画や行政サービスを実行するというものだ。 「国民は、教育、農業、衛生、工業などの分野で、自分たちの好きなだけ必要なサービスを行えばよい」
この分配金の額は、国民一人当たり、1か月1000リビア・ディナール(約8万5000円)ほどになるとみられている。
この前代未聞の「省庁再編」は、決して冗談ではない。すでに青少年・スポーツ省の廃止が発表され、他の省庁も、今年度中をメドに廃止の検討が進められるようだ。
この発表を受けて、一部では「国民の判断が誤っていないか、正しく運営されているかといった監視は誰が行うのか? 」といった懸念の声もあがった。だが、国の独裁権を握るカダフィだけに、政府系戦略研究所の専門家が、大佐の“名案”を賞賛する記事が掲載されるなど、公に批判する声はほとんど聞かれない。

ミドル・イースト・オンライン(UK)ほかより。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080421-00000000-cou-int