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2008年04月18日(金) 15時02分

<サンダル事故>「軟らかな樹脂」原因 改良要請へ毎日新聞

 軟らかな樹脂製のサンダルを履き、足をエスカレーターに巻き込まれる事故が相次いだ問題で、独立行政法人・製品評価技術基盤機構(NITE)が事故原因に関する調査結果をまとめた。製品の素材に問題があるとしたうえで、潤滑剤の不使用などエスカレーターのメンテナンス上の課題も指摘している。結果を受け、経済産業省は同種のサンダルを製造・輸入している業者数社に製品の改良を要請する方針。 

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 NITEによると、樹脂製サンダルをめぐるエスカレーター事故は昨夏以降、小学生以下の子供を中心に66件起きている。このうち、JR東京駅構内で昨年8月に起きた事故では、当時5歳の女児がステップと側面の間に左足を挟み、中指骨折の重傷を負った。

 NITEは米国メーカー「クロックス」が製造した樹脂製サンダルと類似品の計7製品を、樹脂製以外のサンダルや運動靴と比較実験した。その結果、エスカレーターに巻き込まれたのは樹脂製サンダルだけだった。原因として▽軟らかい▽滑りにくい▽薄い▽伸びやすい−−など樹脂製サンダルの特徴を挙げている。

 一方、同じ樹脂製でも、エスカレーターのステップや側面のステンレス部分に潤滑剤が塗られていると、巻き込まれないことが分かった。潤滑剤については、日本エレベータ協会がメンテナンスの際に塗布するよう指針を出しているが、強制力はない。【奥山智己】

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