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2008年04月04日(金) 08時00分

取り調べ録音・録画 警視庁などで試行 今夏めど 問題検証し拡大へ産経新聞

 警察庁は3日、平成20年度中に試行する取り調べの一部を録音・録画する「可視化」について、殺人や強盗致傷、身代金目的誘拐など裁判員裁判で審理される重大事件を対象とすることを決めた。今夏をめどに、警視庁や大阪府警など大規模な警察本部で始め、来年3月までに問題点などを検証、全国に拡大する方針。

 試行は、容疑者が自供した事件で、公判で自白の任意性が争点化する可能性がある事件のうち、警察庁と警察本部長、署長らが協議して対象を決定する。

 容疑者に供述調書を読み聞かせ、署名、押印する場面を2台のデジタルビデオカメラで撮影、DVDに20分程度、収録する。改竄(かいざん)した疑いをもたれる可能性を排除するため、撮り直しや編集は一切せず、任意性が争われた場合、公判に証拠として提出する。

 容疑者が拒否した場合は行わず、暴力団による抗争や薬物、銃器関係事件などの組織犯罪は除かれる。

 取り調べの可視化は、平成18年から検察庁が、取り調べ過程の一部について試行。警察でも、設備や条件などは検察庁と同様のものとし、今後、同庁の試行・検証状況も参考に細部を詰める。

 日本弁護士連合会などは全過程を対象とするよう求めているが、警察庁では「真相の解明、真実の究明という取り調べの本来の機能を損ない、犯罪の検挙に支障が生じる」(吉村博人長官)ため、一部に限ることとした。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000088-san-soci