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2008年04月04日(金) 23時33分

<年金>記録ミス点検手抜き 67年に厚生省担当者「告白」毎日新聞

 宙に浮いた5000万件の年金記録を巡り、旧厚生省年金業務室(現社会保険庁社会保険業務センター)の元室長が、67年に社保庁が発行した本で、記録ミスを認識しながら「チェックの手を抜いた」などと発言していたことが分かった。社保庁は今後、コンピューター記録と紙台帳8億5000万件の照合に着手するが、野党議員からは「5000万件以外にも記録ミスはあり、全原簿との照合を優先すべきだ」との指摘も強まっている。

 4日の衆院厚生労働委員会で長妻昭議員(民主)が指摘した。当時の社保庁業務課が発行した本で、年金業務室元室長(60〜62年在職)が、年金記録の電算処理のため始めたパンチ入力について、「被保険者からみれば一割二分の事故率(記録ミスの割合)」「チェックは一応形としては整っているけれども……仕事もだいぶ手を抜いたりなにかした」と座談会で語っていた。

 長妻氏は「だから紙台帳との照合が必要。行程の見通しを示すべきだ」と指摘。舛添要一厚労相は、照合実施の見通しを示すのは「サンプル調査の分析を終えてから」と述べるにとどまった。【野倉恵】

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