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2008年04月04日(金) 22時59分

<道路特定財源>首相提案 与党対応定まらず 毎日新聞

 09年度から道路特定財源を一般財源化するとした福田康夫首相の新提案は、与党内で取り扱いが定まらないまま、中ぶらりんになっている。自民党の道路族を中心に反発がくすぶり、論議しようとする機運すら乏しいためだ。新提案を支持する世論を気にして、公明党は4日から先行して論議を始めたが、自民党との足並みの乱れを懸念。議論だけで、党議決定には踏み込まない中途半端な姿勢だ。

 「閣議での決定、了解を含めて必ず形にする」。福田首相は4日、新提案の実現を唱える自民、公明両党の若手議員約30人と首相官邸で会談し、強調した。「一般財源化は、皆が心のどこかで思っていたが言えなかった。それが今回、爆発した」とも力説した。

 しかし、自民党内の大勢は「(新提案の)心は全面的に支持する」(二階俊博総務会長)など表向きの支持表明ばかりで、真剣に議論しようという動きはまったくない。

 公明党は同日、国土交通関係合同部会で議論を開始。租税特別措置法改正案の衆院再可決をにらみ「新提案を機関決定しておかないと世論の批判を浴びる」(幹部)との見方を強めたためだが、終了後、高木陽介部会長は記者団に「結論を出すか決めていない」と述べるにとどめた。

 首相は同日の参院本会議で、一般財源化について6月にもまとめる政府の「骨太の方針」に盛り込む考えを表明したが、今のところ独走気味。与党内の足並みの乱れを見透かし、民主党の鳩山由紀夫幹事長は同日の記者会見で「骨太の方針では担保にならない。閣議決定や党議決定が必要だ」と強くけん制した。【西田進一郎】

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080404-00000173-mai-pol