記事登録
2008年03月23日(日) 21時19分

<通り魔>手配男が通行人8人刺す 1人死亡 土浦のJR駅毎日新聞

 23日午前11時ごろ、茨城県土浦市荒川沖東2のJR荒川沖駅の改札口付近とショッピングセンター「さんぱる長崎屋」への通路付近で、若い男が男女8人の頭や首、ひじなどを次々に刺した。同県阿見町の男性会社員(27)が搬送先の病院で死亡、2人が重体。男は、市内で19日に無職の三浦芳一さん(72)が殺害された事件で殺人容疑で指名手配中の無職、金川真大(かながわ・まさひろ)容疑者(24)=土浦市中村東3。刺された8人のうち1人は、金川容疑者の逃走を警戒して張り込み中の捜査員だった。

 金川容疑者は8人を刺した後、駅西口から約300メートル離れた交番から土浦署に「私が犯人です」と電話をかけ、駆け付けた警官が手配中の容疑で逮捕した。交番は当時、無人だった。「人を殺したかった。誰でもよかった」と三浦さん殺害を認め、8人殺傷についてもほのめかす供述をしている。

 8人のうち5人は駅改札近く、2人は通路、1人は通路を下りた長崎屋前で刺された。金川容疑者は数分の間に、意味不明のことを叫びながら走って移動して刺したという。

 逮捕された時、黒っぽいスーツにワイシャツ、ネクタイでニット帽姿。文化包丁(刃渡り21センチ)とサバイバルナイフ(同)を所持し、警官が駆け付けた時は交番の前に立っており、包丁を投げ出し、抵抗はしなかった。

 逮捕容疑は19日午前9時15分ごろ、土浦市中村南5の三浦さんの自宅玄関前で、三浦さんの首を刃物で刺して失血死させた疑い。県警はこの事件で土浦署に捜査本部を設置。現場にあったマウンテンバイクの防犯登録から金川容疑者を割り出し、金川容疑者宅で三浦さんと同じB型の血液が付いた衣類を発見し、21日に指名手配した。

 金川容疑者は22日午後、荒川沖駅周辺から携帯電話で「早く捕まえてごらん」と110番し、その後、JR取手駅周辺からも110番に無言電話をした。捜査本部は170人態勢で周辺駅などを警戒。荒川沖駅にも私服捜査員8人を配置していた。

 金川容疑者は三浦さん殺害事件の後、東京都内で丸刈りにしており、「逮捕されないための変装だった」と供述。荒川沖駅にいた捜査員は誰も気づかず、刺された捜査員は「頭に衝撃を受け、鉄の棒で頭をはたかれたように感じた」と話している。

 金川容疑者は両親、弟、妹との6人家族。地元の高校を卒業後、ほとんど定職につかず、今年1月に自宅近くのコンビニ店のアルバイトを辞めてからは自宅に閉じこもりがちでゲームに熱中していたという。

 23日の事件の被害者は次の通り。

 死亡=阿見町うずら野2、会社員、山上高広さん(27)

 重体=つくば市大角豆(ささぎ)、高校3年、飯田修平さん(18)▽土浦市荒川沖、会社員、石山恵美子さん(62)

 軽傷=一色祐二・土浦署地域課巡査(29)▽土浦市上高津新町、高校1年、増山雄亮さん(16)▽東京都新宿区市谷加賀町、無職、山本美恵子さん(59)▽土浦市木田余東台、会社員、岡田好充さん(50)▽土浦市荒川沖東、塗装工、宮崎留雄さん(60)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080323-00000045-mai-soci