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2008年03月22日(土) 13時47分

日銀松江支店の情報、ネット流出…金融機関の検査文書など読売新聞

 島根、鳥取両県を管轄する日本銀行松江支店(松江市)が金融機関を検査した際の内部文書などが、インターネットの掲示板に流出していたことがわかった。

 流出文書は少なくとも5種類あり、取り扱いを「要注意」と指定した文書や、ある信用金庫が破たん懸念先とした三つの企業名を記した文書もあった。日銀情報がネットで流出したのは初めて。流出による信用不安などの影響は確認していないというが、各金融機関には経緯を説明、謝罪した。

 同支店は、業務用パソコン内にあったデータを、男性職員が上司の許可を得ずにフロッピーで持ち出し、自宅のパソコンで作業している際、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を介して流出したとみている。男性職員は2006年1月から今年3月まで計39種類を持ち帰っていた。

 同支店などによると、流出したのは、日銀の代理店となっている銀行支店などを対象に実施した2007年度の検査実施報告や08年度の検査計画、両県内の金融機関の不備内容をまとめた「事務別不備内容一覧」など。日銀が定める機密区分3段階で上から2番目の「要注意」の文書が2種類含まれていた。

 02〜06年度の代理店検査実施報告には、検査の評定が「適」「物足りない」などと書かれていたほか、ある信金の決算見込みに関する資料では、三つの取引先名を挙げて「破たん懸念先へランクダウンした」と記されていた。

 松江支店に21日午前、流出を知らせる匿名の電話があり、流出が判明。同支店は掲示板の管理者に削除を依頼したが、22日午後1時現在も掲示されている。

 同支店の吉岡伸泰支店長は22日記者会見し、「非常に重大なことと受け止めている。関係先にご迷惑をおかけして本当に申し訳ない」と述べた。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080322-OYT1T00316.htm?from=top