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2008年03月18日(火) 17時01分

「踏み字」元警部補に有罪=「常軌逸した」取り調べ−鹿児島県議選・福岡地裁判決時事通信

 被告12人全員の無罪が確定した2003年の鹿児島県議選に絡む任意聴取の際、親族の名前などを書いた紙を無理やり踏ませたとして、特別公務員暴行陵虐罪に問われた元同県警警部補浜田隆広被告(45)に対する判決が18日、福岡地裁であった。林秀文裁判長は「常軌を逸した違法性の強い行為」と述べ、懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)を言い渡した。
 事件は同県議選事件などとともに、捜査の在り方が問われ、取り調べの適正化を求める議論につながった。林裁判長は「踏み字」行為について「心理的動揺を与えることで、黙秘を打開することを狙った」と指摘。被告は「被害者の心情が傷つけられることを当然認識していた」と認めた。
 一方、被害者は「家族の気持ちを踏みにじらされるような感情を抱いただけでなく、人格を否定されたような多大な精神的苦痛を被った」と認定。「警察の捜査全体に対する信頼を大きく損なった」として、処罰に値する違法性はないとする弁護側主張を退けた。 

【関連写真】 〔写真ニュース〕「踏み字」の元警部補に有罪-福岡地裁
【関連用語】 「特別公務員暴行陵虐罪」
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