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2008年02月25日(月) 02時32分

<三浦容疑者>FBI「新証拠発見」と連絡 銃撃実行関連か毎日新聞

 米ロサンゼルス市警が81年のロス銃撃事件で元輸入雑貨会社社長、三浦和義容疑者(60)を殺人などの疑いで逮捕したことについて、FBI(米連邦捜査局)が23日夜、日本の警察庁に「新証拠を発見した」と正式に連絡してきたことが分かった。銃撃の実行に関するものとみられるが、詳細は明らかにしなかった。日本の捜査資料の提供を求める可能性もあるため、同庁は無罪確定事件の捜査資料を提供できるかどうか検討を始めた。

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 警察庁は23日夕に報道機関からの問い合わせがあったため、FBIに事実関係を照会した。午後11時ごろになって、三浦容疑者を殺人容疑などでサイパン島(米自治領)で逮捕した事実とともに「新しい証拠がある」と連絡してきた。しかし、証拠の内容については具体的な情報は得ていないという。

 警察庁幹部は「日本で無罪になったことを知っているので、銃撃の実行に関する情報を得ている可能性がある」と話している。

 一方、日米間では06年7月から捜査共助条約が発効し、外交ルートを通さなくても捜査当局同士で刑事資料のやりとりなどが可能になった。このため、米国側が日本側の捜査資料の提供を求める可能性がある。同庁によると、この事件では発生現場がロサンゼルス市で、米国の警察はこれまでに必要な捜査を尽くしている。一方で、日本側で収集した捜査証拠は三浦容疑者の日本での行動など状況証拠が中心という。【遠山和彦】

 ◇ロサンゼルス市警の発表文全文(23日)

 捜査の網をかいくぐってきた殺人容疑者がようやく逮捕された。

 三浦和義容疑者(60)は22日午後、サイパンの空港で逮捕された。逮捕容疑は、元妻の一美さんに対する殺人と共謀の疑い。

 一美さんは1981年11月18日にロサンゼルス市内で銃撃を受け、1年後の82年11月30日に日本で死亡した。

 ロサンゼルス市警の未解決事件の担当官は三浦容疑者がサイパン島を訪れるとみてグアム、サイパン両当局と捜査協力を進めてきた。三浦容疑者の身柄の移送手続きについては未定である。【ロサンゼルス支局】

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