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2008年02月13日(水) 17時25分

ICF元社長ら逮捕 企業買収で価値偽った疑い朝日新聞

 東証マザーズ上場のIT関連会社「アイ・シー・エフ(ICF)」の不透明な企業買収疑惑で、自社の株価をつり上げるため買収先の企業価値を過大に評価する虚偽情報を公表した疑いが強まったとして、大阪府警と証券取引等監視委員会は13日、ICF元社長の佐藤克(かつみ)(32)とパチンコ情報提供会社「梁山泊(りょうざんぱく)」の実質経営者、豊臣春国(57)の両容疑者ら計4人を証券取引法=現・金融商品取引法=違反(偽計取引)容疑で逮捕、関係先十数カ所を家宅捜索した。

「ICF」の最高戦略顧問だった榎本大輔・元ライブドア取締役の自宅に向かう大阪府警の捜査員ら=13日午前8時47分、東京都千代田区で

 日本人初の宇宙旅行客として名乗りを上げて注目された榎本大輔・元ライブドア取締役(36)の東京・秋葉原の自宅も捜索対象になっている。榎本氏は、04年12月〜05年6月、ICFの企業合併・買収(M&A)を立案する最高戦略顧問に就いていた。

 ほかに逮捕されたのは公認会計士とICFの元役員。

 捜査4課などの調べでは、ICFは04年12月に株式交換の形で広告会社「大阪第一企画」(大阪市)を買収する方針を公表。その際、企業価値を8億円と算定し、その額に相当するICF株2365株を新たに発行して大阪第一企画の全株と交換すると発表した。

 しかし、大阪第一企画は同年9月末時点で債務超過に陥っていた。10月になって梁山泊グループとの取引が急増し、業績は急上昇したが、大半は豊臣容疑者と関係の深い別会社への丸投げだったという。

 さらに大阪第一企画は11月、資本金を1千万円から8千万円に増資し、債務超過を解消。この増資分もすべて同グループが出資していた。

 買収は05年2月に実行され、ICFグループ全体の売上高が上昇。連結の売上高が公表されるとICFの株価も上がった。 アサヒ・コムトップへ

http://www.asahi.com/national/update/0213/TKY200802130063.html