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2008年02月01日(金) 00時00分

「中国製」不信県内も読売新聞

取扱店に問い合わせ1000件超
JTの商品が撤去された冷凍食品売り場の棚(野々市町三納の「アルビス野々市三納店」で)

 「中国製だが大丈夫か」、「中国産の原料は使われているか」——。中国製ギョーザによる食中毒が相次いでいる問題で、県内のスーパーでは輸入元の「ジェイティフーズ」(JTF)の商品の撤去が進み、購入した商品の問い合わせが続いた。県内の保健所には、健康被害とは確認していないが、「気分が悪くなった」などの相談も寄せられているという。中国産食品への不信、疑心暗鬼が広がっている。

▽スーパー 県内で直営店15店舗を展開するアルビス(富山県射水市)は「混乱を避けるため」、18店舗を展開する東京ストアー(金沢市)も「安全の確認がとれるまで」として、回収対象品を含むJTFの全冷凍食品を売り場から撤去した。

 JTFの回収対象5品目と対象外15品目の計200袋以上を撤去した野々市町の「アルビス野々市三納」店では、冷凍食品コーナーに、ぽっかり空洞が出来ていた。近所の主婦、川上聡美さん(29)は「ギョーザは買わないが、JTFのポテトは買う。冷蔵庫に残っているが、捨てると思う。どちらかと言えば自然派志向と思っていたのでびっくり」と困惑。吉田丞之介副店長は「撤去の動きが冷凍食品や、中国製品全体に広がれば、経営にひびく」と話していた。

 アルビスでは、「一部でも中国産を使用している商品すべてを撤去すると、売り場から6割ぐらいの商品がなくなる」としている。

 食中毒があった「CO・OP手作り餃子」を「コープたまぼこ」(金沢市玉鉾)が取り扱っていたコープいしかわのコールセンターには31日午後8時までに、商品などに関する問い合わせが約1100件あった。

▽県、金沢市 県は31日、関係部局の対策会議を県庁で開き、県民の不安解消に向けた情報共有を進めることを確認した。

 県食品安全対策室によると、同日午後5時までに、金沢市保健所を含む4保健所と1消費生活支援センターで、健康相談が5件、購入商品が回収対象商品に該当するかの相談が6件あった。このうち、南加賀地区の女性からは「(回収対象品の)『2種のソースのロールキャベツ』を2週間前に食べた後、気分が悪かった」という相談があり、ほかに下痢の症状があった人もいた。県では、兵庫県や千葉県で発生したような「健康被害は出ていない」としている。

 金沢市保健所は同日、「手作り餃子」を30日まで販売していた同市内の「コープたまぼこ」店を調査し撤去状況などを確認した。

▽給食 県教委によると、県内で該当商品を給食に使っていたとの情報はないという。県は学校給食の安全確保について、各市町教委や県立学校に通知。金沢市保健所は市教委などに、給食用冷凍食品の内容確認を求めた。

 七尾市教委では、1月にJTFの焼き餃子を学校給食に1回使用したが、業者経由でJTFに問い合わせて「国産」と確認した。同教委の担当者は「3月に来年度の給食に使用する品物を選定するが、中国産品をめぐる議論が起きそう」と話した。

▽病院 県立中央病院、金沢赤十字病院、金沢市立病院では31日午後までに、入院患者向けの食事に、JTFの該当商品は使用していないことを確認した。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/ishikawa/news/20080201-OYT8T00071.htm