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2008年02月01日(金) 00時00分

中国製ギョーザ中毒 問い合わせ殺到111件読売新聞

国内産であることを知らせる張り紙を掲示したギョーザ専門店(東山区で)

 中国製冷凍ギョーザを食べた人が中毒症状を起こした問題で、府内では31日、府や京都市などが開設した相談窓口に消費者からの問い合わせが相次いだ。スーパーなどでは、従業員が商品の撤去や返品の対応に追われた。中国産の食品への消費者の不安が高まる中、飲食業者や輸入業者の中には風評被害を心配する声も出始めた。

 府や京都市ではこの日、管轄の保健所などに相談窓口を開設。「中国産の冷凍食品を購入したが、大丈夫か」など、1日で府に計25件、同市には計86件の問い合わせが寄せられた。

 各地の保健所は、スーパーなどに立ち入り調査。第8管区海上保安本部(舞鶴市)でも、同本部と同管区内の巡視船艇計21隻の中で食べる食品について、自主回収の対象商品がないことを確認した。

 問題の中国製冷凍ギョーザ「中華deごちそう ひとくち餃子」を販売していたという宇治市の「イトーヨーカドー六地蔵店」ではこの日、返品の問い合わせが相次いだ。店頭では「絶対に食べずに返品して下さい」とのポスターを掲示、注意を喚起した。副店長(48)は「被害が出ていないのが救いだが、お客様の命にかかわる問題。早急に回収、返品対応をしたい」と話した。

 「ひと口餃子」の商品名で冷凍ギョーザを販売している東山区・祇園のギョーザ専門店「泉門天」には客から不安を訴える照会が相次ぎ、同店はこの日夕、店頭に「国内産の原材料を使用しておりますのでご安心ください」と張り出した。

 「ひと口餃子」は「中華deごちそう ひとくち餃子」とは無関係だが、商品名が似ているため、客から「食べても大丈夫なのか」「捨てた方がいいのか」などの問い合わせの電話が約20本あったという。

 藤堂俊也社長は「まじめにやっている業者にはいい迷惑だ」と困惑していた。

 冷凍食品を主に扱う伏見区の卸売会社には商品の回収依頼が殺到。会長(64)は「冷凍食品の半分以上は中国製か中国産の原料を使用したもの。一部の商品のせいで、こんな事になって残念」と話した。

 海外の野菜などを輸入している下京区の会社担当者は「中国や国内での検査体制を強化したいが、安全な野菜でも、『中国産が危険』という憶測が一人歩きするのが心配」と、風評被害を気に掛けていた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kyoto/news/20080201-OYT8T00081.htm