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2008年02月01日(金) 14時00分

中国製ギョーザ中毒:県内で2万4000袋流通、被害の報告なし /山形毎日新聞

 ◇06年12月以降
 中国製冷凍ギョーザによる中毒事件で、問題となったギョーザと同じ製品が06年12月以降、県内で約2万4000袋流通していたことが31日、県の調査で分かった。これまでに健康被害の報告はないという。
 県食品安全対策課が31日午後3時現在でまとめたところによると、冷凍ギョーザは、「中華deごちそうひとくち餃子」が県内の卸売業者などを通じてスーパーなどで販売された。さらに「CO・OP手作り餃子」が別の卸しルートを通じ、生活協同組合共立社(鶴岡市)の共同購入で計2530袋が販売された。いずれも店に残っていた分は30日夕方以降に撤去された。
 「中華deごちそうひとくち餃子」は06年12月から今年1月にかけ、県内で計2万1379袋が流通した。取り扱っていたことが確認されたのは、スーパー・山形清分の美畑店(山形市)と南陽店(南陽市)▽スーパードラッグアサヒの鶴岡店(鶴岡市)と新庄店(新庄市)▽ヤマザワの各店▽山形丸魚の県内の営業所。
 このうちヤマザワについては、06年12月から県内の約40店で販売したが、07年9月以降後は、客から要望のあった白山店(山形市)だけで販売を継続していたという。
 「ひとくち餃子」は、共立社のしろにしセンター(山形市)と、あおやぎセンター(鶴岡市)、なかのくちセンター(酒田市)の3店舗でも計213袋を取り扱った。
 ギョーザと同じ工場で製造され、自主回収されている16商品も県内の卸売業者を通じて、少なくとも40店舗で販売されたことが確認されたという。
 県は31日、県食品衛生協会などの関係団体に対して、自主回収している商品を販売・使用しないように、徹底を要請する通知を出した。【佐藤薫】
 ◇保健所が立ち入り検査
 村山保健所は31日、問題のギョーザと同じ商品を扱った山形市城西5の生活協同組合共立社「しろにしセンター」店と同市白山2の「ヤマザワ白山店」を立ち入り検査した。
 しろにしセンターでは、同保健所の食品衛生専門員らが店内を回り、商品の撤去や、客への周知などを点検し、店への問い合わせや苦情の内容などを確認した。
 買い物をしていた同市下条町2の主婦、武田由美さん(41)は「ニュースを見て、冷凍庫の中国産の冷凍食品をすべて捨てた。今まで生産地を気にしたことがなかったが、これからは気にしていきたい」と不安げな表情で話した。【細田元彰】
 ◇ジ社商品の撤去相次ぐ
 県内各地のスーパーでは、問題となった商品を撤去するなど対応に追われた。
 うめや(本部・長井市)は輸入元の「ジェイティフーズ」が自主回収を始めた品目に限らず、同社の冷凍食品はすべて店頭から撤去した。同社と取引を中止し、店頭にチラシなどを張り、客に同社の商品の返品を呼び掛けたという。
 うめやの渡部俊二社長は「中国製でも信頼できる食品はある。店内の冷凍食品の半数以上が中国製で、すべて排除することはできない。むしろジェイティフーズの食品の方が心配だと考えた」と話した。
 また、タカイチ(本部・山形市)でも、ジェイティフーズのすべての冷凍食品を店頭から撤去した。【林奈緒美】

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000146-mailo-l06