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2008年02月01日(金) 13時02分

中国製ギョーザ中毒:症状や不安の訴え相次ぐ 県や市、店舗立ち入り調査 /兵庫毎日新聞

 高砂市内の家族らが被害にあった中国製冷凍ギョーザによる中毒事件を受け、県や市の保健所も31日、回収対象品を扱っていたスーパーや卸売業者へ立ち入り調査を実施した。また、業者の自主回収対象品が増えるにつれて、関係機関には消費者から症状の訴えや健康への不安など、相談が相次いで寄せられ、対応に追われた。【川口裕之、内田幸一、岩嶋悟】
 ◆県
 県によると、県管轄の各保健所へは消費者から32件、販売者から7件の相談(31日午後5時半現在)が寄せられた。消費者からの相談のうち、宝塚保健所や明石保健所など計9件が、ギョーザなど冷凍食品を食べておう吐や吐き気など体調不良を訴える内容だった。視野が狭くなるなどの神経症状が出ていないことや、食べてから発症するまでに時間がかかっていることなどから、県は今回の中国製の冷凍ギョーザの問題に関連している可能性は低いとみている。
 また、県管轄の13保健所ではスーパーマーケットなど89店に電話調査したほか、16店に立ち入り調査を実施した。回収対象品を販売していたかどうかや在庫の有無、対象品を撤去しているかどうかなどを確認した。
 ◆神戸市
 神戸市では、中国製冷凍ギョーザ「中華deごちそう ひとくち餃子」を食べた家族らがおう吐などの不調を訴えるなどしており、症状の聞き取りや食品の調査などに追われた。
 また、市内五つの市保健所衛生監視事務所からは、食品衛生監視員約20人が立ち入り調査を実施。東京都から提供されたリストなどから問題の冷凍ギョーザを取り扱っていると見られる卸売業者5カ所、量販店22カ所のうち、卸売業者2カ所とすべての量販店を訪れたという。
 卸売業者1カ所と量販店19カ所で「中華deごちそう ひとくち餃子」が取り扱われていたことを確認。店頭からは既に撤去されていたが、量販店では昨年11月〜今年1月にかけ約1500個が販売されていた。確認できた在庫品は、問題となった商品とは製造時期が異なっていたという。市は残りの卸売業者の立ち入り検査を実施するとともに、卸売業者に流通状況の調査や、在庫の返品などを指示した。
 ◇学校給食「使用報告ない」
 ◆県・市教委
 県教委によると、各市町教委から問題となっている中国製冷凍ギョーザなどを学校給食で扱っていたという報告は届いていない。県内の学校の約3割に給食を提供する「県学校給食総合センター」では、ジェイティフーズの商品を扱っているが、いずれも国内製で中国製はないという。県教委の体育保健課食育係は「現時点で給食で冷凍食品の取り扱いをやめることは検討していない」としている。
 神戸市教委も調査したところ、給食で以前、ジェイティフーズが扱う食品を使ったことはあったが、いずれも国内製だったという。同市教委も給食での冷凍食品の扱い中止は検討していない。同市教委では現在、ゴマ、春雨、冷凍アサリの3品目で中国製を扱っているが、残留農薬の検査を徹底しているという。
 ◇消費者「中国産かチェック」
 ◆小売店
 神戸市中央区内の大型小売店では31日は開店までに、問題となった中国製冷凍ギョーザ「中華deごちそう ひとくち餃子」含め、中国・河北省の天洋食品で製造されたすべての商品を撤去した。
 買い物に訪れていた神戸市中央区の主婦(53)は「買い物時には、冷凍食品でも野菜でも中国産かどうかチェックしている。食べ物で家族の健康が脅かされるのは、主婦としては気をつけなくてはいけないと思う」と話していた。
 この小売店では「中華deごちそう ひとくち餃子」の輸入元、ジェイティフーズとは別の中国製冷凍ギョーザについて「食べても大丈夫か」などの問い合わせがあったという。
〔神戸版〕

2月1日朝刊

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080201-00000112-mailo-l28