記事登録
2008年01月25日(金) 11時59分

療養費不正受給土屋院長 表彰されていた読売新聞

市技能功労者

 横浜市から療養費を不正受給していた針きゅう院を経営する土屋勉院長(70)が、市技能功労者として表彰されていたことが24日、わかった。横浜市は「技能功労者は模範的な人に贈るものであり、こんなことは前代未聞」と困惑している。表彰の取り消しを検討する。

 市雇用創出課によると、土屋院長は昨年11月、市鍼灸(しんきゅう)マッサージ師会から「障害者を多数雇用し、福祉と会の発展に貢献している」と推薦を受け、技能功労者表彰を受けた。

 技能功労者は、30年以上の経験があり、優れた技術を持つ、指導的な役割を担っている人物に贈られる。毎年、市が各職種の団体からの推薦者を審査して決めている。

 土屋院長は30年を超える針きゅう師資格歴がある。

 土屋院長の不正受給については市保険年金課が表彰前の昨年7月から、調査に入っていた。雇用創出課は「調査が進んでいることは全く知らなかった」としている。

 土屋院長は2002年3月に横浜市南区に「横浜みなみ針灸マッサージ治療院」(営業停止)を、05年6月に同市中区に「土屋針灸マッサージ」(同)を開いた。

 市鍼灸マッサージ師会によると、2か所の針きゅう院は、57人のはり・きゅう・マッサージ師を雇用していた。従業員数は市内でも突出して、多かった。

 また、2か所の針きゅう院で保険適用された利用者は、02年度が487人で、その後、急速に増え続け、04年度以降は8000人となっていた。

 これに伴い、国民健康保険や老人保健から支払われる療養費も増え続けていた。土屋院長は施術の回数を水増しして、療養費を不正に受給していた。

 市鍼灸マッサージ師会は「会としても会員数も増えるので歓迎していた。ただ、利益を上げるのに無理をしていないか不安だったが、こんなことをしていたなんて……」と話している。

 市雇用創出課は「表彰に値する人として団体が推薦してくるので疑義を挟みにくい。自主返上してくれれば一番良いのだが」と苦り切っている。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kanagawa/news/20080125-OYT8T00093.htm