気象庁は17日、今年で米軍政下から返還40年となる小笠原諸島(東京都)で、これまで出していなかった大雨や強風などの気象警報・注意報や週間天気予報を、3月26日から提供すると発表した。
小笠原諸島は東京から南に約1000キロ離れ観測網が粗いことなどから、現在は「きょう」「あす」「あさって」と2日先までの予報しか出ていない。警報や注意報もなく、防災対応が必要な大雨などが予測される場合も、市町村などに通知義務がない「気象情報」で周知していた。
2005年運用開始の運輸多目的衛星(MTSAT)により、雲などの観測がそれまでの1時間間隔から30分ごとに短縮できたほか、コンピューターで天気の将来値を予測する「全球数値予報モデル」が昨年、地球全体の大気を水平方向20キロ四方に区切った世界一緻密なものに更新されたことなどから、ほかの地域並みの予報が可能になった。