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2008年01月11日(金) 00時00分

えきそば値上げ 小麦急騰に勝てず読売新聞

JR姫路駅名物「お前もか」
値上げに踏み切った「えきそば」(JR姫路駅で)

 JR姫路駅の名物として知られ、中華めんに和風のだしという取り合わせで根強い人気を誇る立ち食いそば「えきそば」が、10日から3年10か月ぶりという値上げに踏み切った。めんや天ぷらの材料となる小麦の急騰が理由といい、ファンらはちょっぴり高くなった〈ご当地グルメ〉に「えきそばよ、お前もか」と残念がることしきりだ。

 「えきそば」は昭和戦争後、大がかりな設備なしで簡単に調理できる商品として地元の食品会社が1949年に開発。かんすいが入った黄色いラーメンにうどんだし、天ぷらというミスマッチと手ごろな値段が評判を呼び、ピークの1970年代には1日約6000食、現在も姫路駅のホームや同駅前など計6か所で1日約2000食が出るロングセラーとなっている。

 値上げは、「十数年ぶりだった」という2004年3月以来。「えきそば」を天ぷら・きつねとも330円から350円に、「えきそば大盛り」を380円から400円にし、タイムサービスとして割り引く午後2時〜5時は250円から280円。持ち帰り用の2食セット(480円)は当面、据え置く。

 昨年夏から検討していたという食品会社「まねき食品」の担当者は「企業努力を上回るスピードで小麦が高騰した。苦渋の選択」と説明し、「味はしっかり守りたい」と話している。

 子どものころから親しみ、今も週3回は食べるという姫路市田寺の無職小野寺武一さん(60)は「20円も、積もれば大きい。痛いが、いろんなものの値上げが続くこのご時世、仕方ないのかも」とあきらめ顔。出張で立ち寄ったという静岡県掛川市の会社員今泉令央さん(31)は「駅名物を食べ歩くのが趣味だが、こんなところにまで値上げの波が押し寄せるなんて」と苦笑いしていた。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20080111-OYT8T00027.htm