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2007年11月30日(金) 00時00分

インセンティブ(いんせんてぃぶ)読売新聞


絵・唐沢なをき/文・唐沢よしこ

 インセンティブ(incentive)とは「やる気を起こさせる」「推奨」などという意味を持つ英単語ですが、これは携帯電話の販売システムを語る上で欠かせない言葉ですワン。

 販売促進のために、携帯電話会社が販売店に支払うバックマージンのことを指し、販売奨励金、報奨金などとも呼ばれます。

 携帯電話の端末は発売してからしばらくすると「新規契約1円!」など、破格の安値で販売されることが多々ありますね。最新機種でも機能から考えると原価以下としか思えないほど安く売られていたりします。これはみなインセンティブのおかげです。携帯電話会社は携帯端末が売れて、新たに回線契約が取れると販売店に一件あたりいくら、と決められた額のインセンティブを支払うようになっているのです。

 このインセンティブがどこから出ているのかというと、ユーザーがその後支払う基本料金や通話料に上乗せされています。日本の携帯電話端末はすべて携帯電話会社が販売しています。ドコモの端末ならドコモの回線しか契約できませんから、このような方式が可能になるのですな。

 しかし、これだと新規契約したユーザーがすぐに解約したらインセンティブの回収ができませんし、逆に同じ機種を長期間使う人は延々と高い料金を払うことになります。このような不公平感をなくすべく、インセンティブは緩やかに廃止される方向で進んでいます。すでに各社からインセンティブ割引なしの値段で端末を購入し、安い利用料金を払うコースが登場していますが……やはり端末が高いなあと思ってしまいますワン。これが本来の価格なんですけどね。

http://www.yomiuri.co.jp/net/column/yougo/20071130nt09.htm