記事登録
2007年11月30日(金) 10時00分

常識はずれ住友信託 11月下旬社長交代劇の怪日刊ゲンダイ

 11月26日、住友信託銀行(森田寛社長)が突然新社長を発表した。この時期の社長交代は極めて珍しい。何事も横並びで一番お堅いはずの銀行がこんなハプニング人事を断行するのだから、よほどのことと誰しも気を回す。実際、行員も仰天、呆然。
 中堅行員が思わず漏らした。
「当行は今、東京営業部の引っ越しの真っ最中で社内はバタバタしている。3週間かけて、丸の内から出来上がったばかりの八重洲のサウスタワーへ移り始めたところです。こんな時に社長交代という重大発表をするなんて。なぜ?」
 常識外れの交代劇に訳が分からない行員は多い。
 記者会見に顔を見せた高橋温会長(66)や次期社長の常陰均取締役常務執行役員(53)は、辞任の理由を「森田社長が病気療養に専念したいと退任を申し出たため」と説明した。だが、これにはマスコミ関係者が首をかしげている。大手紙記者がこう言う。
「森田社長は、今月中旬開かれた中間決算発表会見で元気な姿を見せていた。一時、体調を崩して休んだこともあったがもう大丈夫という感じでした。わずか10日ほどで社長を退かなければならないほど病気が進行するものですか? 本人は社長に就いてまもなく2年半、慣らし運転を終えてこれから力を振るおうとしていたところですからねえ。辞任の理由は別にあるのではないでしょうか」
 そこで浮上するのが、天皇ともドンともいわれる高橋会長と森田社長との確執だ。
 金融に詳しい経済ジャーナリストがこう推測する。
「決算会見以降に何かが起きたのではないか。エポック的なことはあおぞら銀行との提携です。これは包括提携とブチ上げた割には中身がない。会見すら開かなかった。しばらく前から高橋会長と森田社長との間の路線の違いがささやかれていた。あおぞら銀との提携が2人の仲を引き裂くことになったと見る関係者もいるようです」
 誰しもが釈然としない社長交代。真相はこれから明らかになる!? 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071130-00000015-gen-ent