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2007年11月30日(金) 22時29分

けいはんな、再生法申請 負債109億円 府出資3セクで初の破たん京都新聞

 経営再建が課題になっていた関西学研都市の第3セクター、株式会社「けいはんな」(京都府精華町、資本金100億円)は30日、民事再生法の適用を大阪地裁に申請した。同地裁は同日、受理し保全命令を出した。
 多額の借入金が財務を圧迫、負債総額は約109億円に上る。15億円を出資する京都府も減資などの負担が避けられない見通しだ。府が出資する3セクで経営破たんは初めて。
 今後、筆頭株主で最大の債権者である日本政策投資銀行をはじめ、17の借入先金融機関に債権放棄を要請する一方、関西の経済界に資金支援を求めるなど再生計画の策定を進める。所有、運営する文化学術研究交流施設「けいはんなプラザ」(精華町)についても負担軽減策を立案し、学研都市の中核施設としての機能維持を図る。
 一方、京都府など株主も減資を求められる見通し。けいはんなが府に住友ホールなどを寄付する方向で協議が進められている。
 けいはんなの経営をめぐっては、同プラザ建設に伴う多額の借入金と利子の返済が財務を圧迫。賃貸収入も長引く不況で思うように伸びなかったほか、住友グループからの寄付を受けた多目的の「住友ホール」も運営コストを押し上げ、1989年の会社設立以来、赤字が続き、累積赤字は約90億円に達していた。
 また、来年3月には財団法人民間都市開発推進機構に一時的に売却した2期用地約2・6ヘクタールが買い戻し期限を迎えるため、抜本的な経営再建が課題となっていた。
 立石義雄けいはんな社長(オムロン会長)は「経営の責任は大きく、誠に申し訳なく思う。バブル崩壊で顕在化した問題に対し、本質的な解決が先送りされてきたのも事実。これ以上の先送りを絶ち切り、現経営陣が抜本的再建を担うことにより責任を全うしたい」とコメントした。
 【株式会社けいはんな】 関西文化学術研究都市にある文化学術研究交流施設「けいはんなプラザ」の設置・運営を目的に1989年に設立された。主要株主(カッコ内は出資比率)は、日本政策投資銀行(21・5%)、京都府(15%)、大阪府(5%)、奈良県(2・5%)、近畿日本鉄道(2・45%)、関西電力(2・1%)など。下妻博関西経済連合会会長が会長、立石義雄オムロン会長(京都商工会議所会頭)が社長を務める。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071130-00000054-kyt-l26