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2007年11月28日(水) 01時00分

政治的センス「不十分」 大阪府知事秘書が釈明産経新聞

 大阪府の太田房江知事の「政治とカネ」をめぐる問題で、27日開かれた大阪府議会決算特別委員会で府議の要請を受けて知事の政務を補佐する山田信治知事秘書(特別職)が出席し、「補佐役として反省している」と釈明した。一連の問題が府議会で取り上げられるのは初めてで、知事秘書の府議会委員会出席は平成17年10月以来。

 太田知事に対決姿勢を示している自民や共産府議だけでなく、比較的関係が良好な民主会派の府議からも目的や原因について質問が相次いだが、結局批判は収まらず、12月5日の次回の特別委では太田知事を直接質問する。

 今月18日に投開票された大阪市長選で太田知事が、民主の推薦を受けて当選した平松邦夫氏の事務所に開票前に駆けつけ、バンザイしたことについて、落選した関淳一氏を推した自民、公明の府議は反発を強めており、「早々と事務所に行くよう判断したのは誰か」などと質問。山田知事秘書は「私が平松氏の事務所に行くよう設定した」と自身の判断だったことを明らかにし、「できるだけ早く行かなければと思ったが、タイミングや祝意の述べ方などは配慮するべきだった。反省している」とし、知事を補佐する秘書として「政治的センスが十分ではなかった。甘かった」と釈明した。

 また、中小企業経営者らの任意団体「関西企業経営懇談会」との会合に出席し、1回あたり50〜100万円、計883万円の講師謝礼を受け取っていた問題について、山田知事秘書は「当時は講師謝礼として妥当と思っていたが、庶民の目線からすると多額。申し訳ない」と謝罪。

 関企懇関連の21社と府が総額約36億円の契約を結んでいたことについても、「(府と取引がある可能性がある中小企業経営者が集まる)会の性格を考え、シビアに対応すべきだった」と対応のまずさを認めた。ただ大半が随意契約だったことについては「結果としてそういう実態になった。法的に問題はない」と述べた。

 さらに、太田知事の東京の政治団体が親族のマンションを事務所については経緯を詳しく説明、関企懇と同様、問題ないという考えを示した。マンションに月額5万円の賃料を約3年にわたって続けたことについて「親族に対する金の提供ではないか」と問われると、「東京で事務所を借りるともっと高い費用が必要。不当とは思わない」と説明した。

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